『老子』が説く処世の英知を、人生そしてビジネスに活かす
本講座では『老子』全八十一章の中から三十七章を厳選。厳しい現実をどう生きるか――現代に通じる知恵として、守屋洋氏がわかりやすく読み解いてまいります。
逆風の中を、たくましくしなやかに生きる処世の英知
その
最も理想的な指導者は、部下から存在することさえ意識されない。
部下から敬愛される指導者は、それよりも一段劣る。
これよりさらに劣るのは、部下から恐れられる指導者。
最低なのは、部下からバカにされる指導者だ。
曲がっているからこそ我が身を全うすることができる。
屈しているからこそ伸びることができる。
窪んでいるからこそ水を満たすことができる。
古びているからこそ、新しい生命を宿すことができる。
まさにこれを
これを
取ろうとするなら、まず与えてやる。
これが底知れない知恵というものだ。
だからこそ柔弱なものが強いものに勝つことができるのである。
国を治めるのは小魚を煮るようなものである。
やたらかきまわしてはならない。
この世の中で、水ほど弱々しいものはない。
それなのに、強いものにうち勝つこと水に優るものはない。
その理由は、水が弱さに徹しているからである。
乱世を生き抜く弱者の思想
今、われわれの社会は見通しの立てにくい時代に入っており、社会全体にいらだちと不安が広がっている。こういう時代だからこそ、なおさら個人としてのしぶとい生き方が求められているとも言える。
これからのわれわれの課題は、集団としての強さを保持しながら、一人ひとりが個人としてのたくましい生き方を身につけることであろう。
『老子』は動乱の時代に生み出された本である。
弱者の立場に身を置き、そこに居直ることによって、乱世を生き抜くためのすばらしい処世の知恵を発見した。それらの知恵は、ひとり弱者にとって有効なばかりでなく、乱世を生きるすべての人々にとって参考となろう。
守屋 洋
※解説テキスト上下2冊がついています。
守屋 洋 氏
著述業(中国文学者)。1932年生まれ。東京都立大学中国文学科修士課程修了。主な著訳書に「孫子・呉子」「『老子』の人間学」「菜根譚の人間学」「荘子の人間学」「六韜・三略の兵法」「中国宰相列伝」「十八史略の人物列伝」「『書経の帝王学」(いずれもプレジデント社)など多数。















