継続調査から浮かび上がった 世論の本質!『安心の探究』『安全風土の探究』に続く“科学技術”と“人間社会”との関わりをテーマとした貴重な実証的調査・研究レポート第3弾!
1991年に関西電力株式会社の美浜発電所で、社会に心配をかける結果となった蒸気発生器の細管破断事故が発生した。このような事故を二度と繰り返さない という関西電力の強い決意のもとに、客観的な立場から調査・研究を行い、関西電力に対して忌憚のない助言や提言を行うとともに、得られた成果を原則として 公開することによって、広く国内外の原子力発電所の安全性や信頼性向上にも貢献する――こうした役割が期待されて、事故の翌年に関西電力の全額出資によっ て(株)原子力安全システム研究所が設立された。
原子力発電の安全性および信頼性の一層の向上と社会や環境とのより良い調和を目指すためには工学的な アプローチだけではなく、社会科学・人文科学的アプローチが重要であるとの判断から、当研究所は社会システム研究所と技術システム研究所という二つの研究 所から構成され、相互に密接な連携をとりながら研究に取り組むというユニークなものになっている。これはその後の原子力発電をめぐる情勢を見るにつけ先見 的であったと感じている。
このような経緯で研究所が設立されてはや10年以上が経つが、関係者のご協力と各分野で第一人者のご指導をいただきながら、社会システム研究所と技術シ ステム研究所の双方とも、着実な成果を上げてきている。本書「データが語る原子力の世論――10年にわたる継続調査――」も、それらの成果の一つであり、 社会システム研究所が社会意識研究の柱の一つとして1993年から原子力発電に関する世論調査を10年間継続して実施してきた研究成果をまとめたものであ る。世論調査の回数は七回におよび、また、この10年の間に発生した「もんじゅ」事故やJCO事故等の直後の世論データも含まれており、原子力発電に対す る世論を客観的に映し出す貴重なデータが得られたと考えている。
(下略)
──本書「はじめに」より
[編] 原子力安全システム研究所・社会システム研究所 げんしりょくあんぜんしすてむけんきゅうじょ・しゃかいしすてむけんきゅうじょ
[執筆者一覧] はじめに:北田幹夫((株)原子力安全システム研究所 社長・所長)/序章:糸魚川直祐((株)原子力安全システム研究所 社会システム研究所長、元大阪大学人間科学部長 大阪大学名誉教授 博士(人間科学))/第1章~第6章:北田淳子((株)原子力安全システム研究所 社会システム研究所 研究員)/第7章:阿登一憲((株)原子力安全システム研究所 社会システム研究所 副所長)












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