データが語る原子力の世論
画像を拡大

ISBN
978-4-8334-9098-6
判型
四六判/並製
初版日
2004年4月9日
本文頁数
240頁

この商品をご覧の方へのおすすめ

商品説明と目次

継続調査から浮かび上がった 世論の本質!『安心の探究』『安全風土の探究』に続く“科学技術”と“人間社会”との関わりをテーマとした貴重な実証的調査・研究レポート第3弾!

1991年に関西電力株式会社の美浜発電所で、社会に心配をかける結果となった蒸気発生器の細管破断事故が発生した。このような事故を二度と繰り返さない という関西電力の強い決意のもとに、客観的な立場から調査・研究を行い、関西電力に対して忌憚のない助言や提言を行うとともに、得られた成果を原則として 公開することによって、広く国内外の原子力発電所の安全性や信頼性向上にも貢献する――こうした役割が期待されて、事故の翌年に関西電力の全額出資によっ て(株)原子力安全システム研究所が設立された。
 原子力発電の安全性および信頼性の一層の向上と社会や環境とのより良い調和を目指すためには工学的な アプローチだけではなく、社会科学・人文科学的アプローチが重要であるとの判断から、当研究所は社会システム研究所と技術システム研究所という二つの研究 所から構成され、相互に密接な連携をとりながら研究に取り組むというユニークなものになっている。これはその後の原子力発電をめぐる情勢を見るにつけ先見 的であったと感じている。
 このような経緯で研究所が設立されてはや10年以上が経つが、関係者のご協力と各分野で第一人者のご指導をいただきながら、社会システム研究所と技術シ ステム研究所の双方とも、着実な成果を上げてきている。本書「データが語る原子力の世論――10年にわたる継続調査――」も、それらの成果の一つであり、 社会システム研究所が社会意識研究の柱の一つとして1993年から原子力発電に関する世論調査を10年間継続して実施してきた研究成果をまとめたものであ る。世論調査の回数は七回におよび、また、この10年の間に発生した「もんじゅ」事故やJCO事故等の直後の世論データも含まれており、原子力発電に対す る世論を客観的に映し出す貴重なデータが得られたと考えている。
(下略)

──本書「はじめに」より

[編] 原子力安全システム研究所・社会システム研究所 げんしりょくあんぜんしすてむけんきゅうじょ・しゃかいしすてむけんきゅうじょ

[執筆者一覧] はじめに:北田幹夫((株)原子力安全システム研究所 社長・所長)/序章:糸魚川直祐((株)原子力安全システム研究所 社会システム研究所長、元大阪大学人間科学部長 大阪大学名誉教授 博士(人間科学))/第1章~第6章:北田淳子((株)原子力安全システム研究所 社会システム研究所 研究員)/第7章:阿登一憲((株)原子力安全システム研究所 社会システム研究所 副所長)

目次

表示・非表示

はじめに
……北田幹夫

序章:意識調査の基本
……糸魚川直祐

目的と対象/調査の方法/妥当性と信頼性/意識調査の限界と効用/この調査が目指すもの

第1章:世論調査データへの案内
……北田淳子

世論って何? 世論は世論調査で知る/世論調査を信用していますか?/意外に知られていない個人の回答の揺れ/1万人の回答 対 1000人の回答―どちらが世論をあらわしているの?/調査対象者を偏りなく選ぶ方法、ランダムサンプリング/忘れてはならない回収率/さまざまな調査方 法/INSSの調査はこんな調査です/継続は力なり、継続調査によるデータの蓄積/時系列比較で大切なこと/意外に少ない原子力発電に関する世論の継続調 査/意識のつながりを探るための多様な質問構成/回答比率の比較方法―何ポイント違えば変化があったと言えるか

第2章:原子力発電に関する世論の現状
……北田淳子

「原子力」と言ったら何を連想しますか?/四割強の人は「発電・発電所・電気・電力」を連想/否定的イメージだけ連想する人は 三分の一/33年前(原子力発電開始前)の原子力イメージと比較すると/原子力の事故についてどれくらい不安に思っているか/不安が強いのは、道路交通事 故、環境破壊、そして原子力/問われて出てくる不安/リスク認知のバイアス/原子力発電の利用態度、「やむを得ない」が六割以上/選択肢の表現は適切か― チェック1「どんなに……しても」の表現/チェック2「やむを得ない」の表現/たくさんの質問でとらえる原子力発電への総合的態度/似たもの集めでものさ しができる―数量化III類/原子力発電への総合的態度をはかるものさし

第3章:原子力発電に関する世論の変化と変動
……北田淳子

一般的な意識の面で10年前と変わったもの/原子力に関する意識はこの10年間で変わったの?/事故で変動しやすい不安感/そ れでも安定している利用態度/総合して10年間の動きを見ると/事故や事件の発生で世論はどれくらい動いたの? JCO事故の場合/抜群の認知度―JCO 事故「よく覚えている」は84%/事故不安やリスク感が高まり、安全性についての安心感が低下/事故内容にリンクした反応―原子力発電所労働者イメージと 社員教育/ネガティブな反応も利用否定までには至らず/その後の推移―ネガティブな変化は回復した/東電問題の場合/意外な結果―2000年と比べてむし ろ肯定的/電力会社への信頼は特に低下せず/JCO事故と東電問題では認知度に大差あり/東電問題の認知度―新聞やニュースをよく見ない層ほど落ち込む /JCO事故より少なかった東電問題の報道量

第4章:男女差と地域差
……北田淳子

「原子力」からの自由連想や事故の不安に男女差なし/男性はマイナス面も含め知識や関心が高め、積極的肯定意見が多め/女性は 知識が少なめ、否定意見が多いというより中間回答が多め/男女差の背景にあるもの―男性のほうが多いマスメディア情報への接触/女性のほうがお化けを恐 れ、迷信を気にする/男性のほうが経済・産業活動に適応的な考え方が強い/反対の根拠と賛成の根拠/女性のほうが事故の際のリスクが大きいものは避けたが る/女性のほうが大きかったJCO事故後の変化/パンフレットの効果―女性のほうがイメージの変化大/実験的調査で原子力発電に対する態度の強さをはかる と/女性の特徴が浮かび上がる/地域差―関西の意識と全国の意識は異ならない/関東でも関西と変わらなかったJCO事故の認知度/JCO事故の影響も関西 と関東で違いなし

第5章:意識のつながりを探る
……北田淳子

態度構造の分析方法/回答パターンが最も異なるのは無関心層/無関心層は原子力への不安も不信も少なく、態度が不安定/原子力 発電への態度とさまざまな意識は関連している/意識のつながりは時系列である程度安定している/電力自由化と原子力/電力自由化で安定供給を心配する人は 多いの?/電力自由化を知っていても、安定供給への懸念には結びつかない/電力自由化が進めば原子力発電は増える??/原子力発電にとても好意的な層は電 力自由化にもよいイメージを抱いている

第6章:実際の世論と世論イメージ
……北田淳子

どれが世論の多数意見か正しく推測できる?/原子力発電にネガティブな方向への認知バイアス/ある意見を持つ人がどれほどいるか正しく推測できる?/利用態度でどのように意見が分かれているか正しく推測できる?/世論調査の意義

第7章:結びに代えて
……阿登一憲

ご注文はこちら!

データが語る原子力の世論
データが語る原子力の世論
[編]原子力安全システム研究所・社会システム研究所
価格:1,575円(税込)

Facebookに投稿

最近チェックした商品