魔法の言葉 「ウチならできます」こんな会社で働きたい!「小さな世界企業、誕生秘話」
アールエフ(RF)は、長野駅に近い県庁通りの一角にある。風変わりな社名だが、ラジオ・フリクエンシー(周波数)の頭文字で、“無線”という意味であ る。1947(昭和22)年に長野県の上田に生まれた創業者である丸山次郎社長は、小学生時代にラジオと無線機、そして国立長野高専時代にテレビをマスターし、大学に入っては電磁工学を専攻した。つまりは電波を使った情報の伝達というジャンルを一貫して歩んだわけで、アールエフという社名の由来もここに ある。創業したのは93年で、放送・業務用CCD(光を電気信号に変える半導体素子)カメラ、医療用機器分野ではコードレス口腔内カメラ、そして、飲み込 むカプセル内視鏡カメラ──などがメーン事業である。資本金3億8750万円、年商30億円、社員数160人(平均年齢29.5歳)[2004年7月末現在]という小ぶりな開発型ベンチャー企業ながら、歯科用コードレス口腔内カメラのシェアは、米国で85%、国内は普及途上ながら20%を占めるという“小さな大企業”である。
そんな同社に今、国内外の研究者や技術者、経営者たちの訪問が絶えない。コードレス口腔内カメラに代表される高い技術力、さらには後述するが01年12月に開発に成功した、飲み込むカプセル内視鏡『NORIKA(ノリカ)』の将来性に無限の夢が広がると見ているためである。
“モノづくり日本”の退潮をいわれて久しい。その復活を期待する声も高いが、アールエフが注目されるもう一つの理由は、社長の丸山が、先端医療機器の研究・開発を目的とした大学院大学を設立する構想を打ち出したからでもある。
技術者であり、研究者でもある創業者・丸山と、それを支える若い“長野の野武士集団”たち。24時間営業の、まさに長野の“不夜城のアールエフ”とは、どんな企業なのか――。
(本書「プロローグ──『驚』」より抜粋)
[著] 篠田 達 しのだ・とおる
ノンフィクション作家、国際金融ジャーナリスト。1942年、山口県生まれ。中央大学法学部法律学科卒業。同大学院修士課程修了。宇部興産を経て、兄弟4人で大阪で土木建築業を創業。その後、地方紙記者を経て金融専門紙編集委員。退社後、独立。週刊誌、月刊誌などで技術、医療、国際金融部門の執筆活動および講演で活躍する。著書『国際金融』(宝島社刊)など。趣味は将棋、ハワイアン音楽(スティールギター演奏)。日本貿易学会会員。














