今までの面接対策本は、むやみにいろいろ詰め込みすぎている――転職の現場に長く携わってきた私は、プロの立場からずっとそう感じていました。
この本は、採用面接で「すぐ実践できること」だけを簡潔に書いています。難しいことや、わかりづらいことは極力省きました。また、1度にたくさんのことを書くと、読んでいる人にはわからなくなってしまうため、基本的に、1つのパートでは1つのアドバイスしかしないようにしています。そして、どのパートも5分あれば読むことができ、10分あれば、理解して自分でも「やってみる」ことができることばかりです。
「うわべだけ取り繕う」ような面接指導も多すぎます。
「面接ではこうすれば人事を感心させられる」というテクニック。たとえば、“まず、結論から言う”“論理的に話す”“センテンスは短く”“イニシアティブをとる”“前向きな話をする”……こんなどうでもいいテクニックが幅を利かせています。
だから、転職者の多くは、「結論から話します。まず、ポイントは3つ」と切り出し、就活学生は、グループインタビューになるとさっと立ち上がり、「私に司会をさせてください」と手を挙げます。その結果、「またマニュアル小僧か……」と面接官はみな、鼻白む思いになっていくのです。そういうの、やめにしましょう。
本質――面接で本当にやるべきこと。それを書きました。とても簡単なことです。
この本の作りで、一番工夫したこと。それは、「今、あなたはどれだけ時間があるか」を出発点としていることです。あなたの持ち時間に応じて、「面接を磨く」方法は変わってきます。10分しか時間がないのか、1日あるのか、1週間あるのか。この持ち時間ごとに「やれること」を分けて書いています。こうすることにより、今のあなたが注力すべきことが見えてくる。口やかましくアレコレ言う面接本と差別化しています。
今、もう面接に行く直前だ!という人にだって、その面接をよりよいものにするためのサジェスチョンはあるのです。「1週間前にこの本を読んでいたら……」。そう嘆かないでください。新卒でも中途でも、たくさんの会社に応募はできるのです。
目の前に差し迫った面接で力を発揮できなくても、次に応募する会社で、準備万端にすればいいじゃないですか。仕事探しは受験みたいに、「このチャンスを逃すと1年待たねばならない」というわけではなのですから。