「口が一つ、耳が二つあるのは、話すことの倍聞きなさいということである」とは、ギリシャの昔からいわれていたことです。
現在でも、「話上手は、聞き上手」などといわれていますが、人と出会い、優れた「言葉」を耳にするということは、いわゆる会話術などを超えて、われわれの人生に迫るものがあります。というのも、優れた「言葉」の背後には、多くの人たちの経験や英知が込められているからです。
そして、優れた「言葉」は、それを読むことによっても、われわれに同じような恩恵を与えてくれるのです。すなわち、言葉との出会いが、人びとに生きる指針を与えてくれると同時に、人びとを感動させ、生命のエネルギーに満ちた行動に駆り立てるのです。言葉が「言霊」といわれるのも、優れた「言葉」の背後には霊力や呪力が潜んでいると考えられているからです。
本書で引用している「言葉」は、2007年の9月に刊行、幸い好評を博して版を重ねてきている『人を動かす「言葉力」』と同じく、いずれも雑誌「プレジデント」に発表された名言・名句をベースにしたものです。具体的には、第一線で活躍している経営者や各界の著名な人たちが、貴重な経験をもとに語った知恵や勇気や哲学を述べた言葉ばかりです。
読み進むうちに、啓発されることも、大きく頷くことも、なるほどと納得することもあるでしょう。そして、そのたびに、ビジネス力、人間力がプラスされていくのです。それが「言葉力」の「言葉力」たるゆえんなのです。
本書の「言葉」によって、みなさまの人生が大きく飛躍し、ダイナミックに発展していくことを願ってやみません。
なお、登場されている人びとの肩書きは、雑誌掲載当時のものです。どうぞ、ご了承くださいますように。
2008年 夏
秋庭道博