プロローグ
第1章 商いを人任せにするな
──自ら設計、自ら販売
楽天野球団 池田敦司
自分たちの商品を作れる醍醐味
女性が埋め尽くす楽天のスタジアム/借金をしている分、腹が据わっている/ビール用の冷蔵庫がない/女性客を取り込め/接待に使いやすい「ボックスシート 5」/成績が悪くてもファンクラブは大賑わい/プロ野球で自前の球場を持つのは二球団のみ/「ボールパーク」だけでは、人は集まらない/仙台市民七七%が 楽天に「好意を持っている」/安易な収入源があると人は努力しなくなる
シティスーパー トーマス・ウー
百貨店に本当のバイイングはなかった
香港から世界のスーパーへ/「成り行き」が、その後の人生を変えた/百貨店は場所貸しをしているだけ/再び、西武の人間に/ファッションにくらべて食には日 常性がある/シティが出店すれば、どんな場所も賑わう/旬の食材を、自分たちで仕入れ、自分たちで販売する/青森のリンゴを香港で最初に導入/今後の発展に、福岡の存在は外せない/欧米の大都市で認められ、親元に還る
角川シネプレックス 北尾知道
映画館は小売りと同じだ
変わってはいけないものと、変わらなければならないものがある/映画興業は顧客サービス業である/アメリカの片田舎での体験が、映像ビジネスに目を向けさせ た/シネコンは、いまや消耗戦の様相を呈す/幅広い品揃えが、客層をさらに開拓する/おたくコンテンツの可能性/映画は見なくてもオフィシャルショップへ /「いますぐ映画館に行きたくなる」ための試み/店頭物販が屋台骨/現場が理解できる言葉で語れ
第2章 「始末」のできない会社は生き残れない
ロフト 安森健
商いで必要なのは、才覚・算用、そして何より始末
百貨店は新しい業態を何も生み出せなかった/鈴木敏文も称賛のMD/お客はそこにいた/「始末の不在」を数値化で乗り切る/思わぬつまずきが教えてくれたこ と/雇用差別の撤廃は「ヒューマニズム」に基づくものではない/目指すは、「1000円札の幸福」を生む品揃え/始末ができる会社は強い
ビー・ワイ・オー 楊文慶
儲けながら考えろ
「長続きするビジネス」を志す/常識外れの採用1年後入社/流行やブームに乗る怖さを痛感/狙いは「ミディアム接待」/お茶漬けは女性向けファストフードである /素朴でごついが食感がある惣菜が女性に支持される/セブン-イレブンだけが流通ではない
第3章 「モノよりコト」の時代なんて大ウソ
ジュンク堂書店 田口久美子
大量の品揃えこそ価値である
「カリスマ書店員」が味わった敗北感/「主張する書店」から「無個性の書店」へ/「図書館よりも図書館」らしい店づくり/消費者が売り場の主人公になる時代が到来 /しかし、売り場は書店員で支えられている/やりたい店と商いを成立させる店は違う
ウオエイ 岩本勝幸
理屈をこねるより体を動かせ
使命は、地方スーパーの再生/パートにも見放される始末/現場で起きていることは現場に聞け/達成感を積み重ね、習慣化する/「この店で買いたい」とお客に思わせろ/現状に甘んじていてはじり貧になるだけ/「親孝行手当」で「感謝の心」を引き出す/店頭の充実なくして明日はなし/泥臭い現場を知る最強の理論派
第4章 商いは継続させることに意味がある
ナディッフ 芦野公昭
ここで辞めたらセゾンと同じ
店は図書館じゃない、売っているのは商品だ/堤清二との出会いが人生を変えた/美術書は研究者や翻訳家のものではない/おもちゃ箱のような棚作りが複数買いを誘う/信用金庫に「飛び込み」で融資を求める/予想以上の売れ行きは、「恥ずかしい誤算」
タワーレコード 高木哲実
小売りをおろそかにするのは愚の骨頂
日本でのみ元気なタワーレコード/売りたいのは、情報ではなくモノである/アナログディスプレイはブランド価値を高める販促物/「ブランド力」は放っておくと落ちていく/「音楽への情熱」を売り場に生かしつつ、効率化も徹底させる
第5章 多角化するな、本業を深掘りせよ
イープラス 橋本行秀
商いのエネルギーを分散させるな
販売力は店の数ではない/店舗でチケットを売る限り赤字から抜け出せない/「客から手数料は取れない」は本当か?/在庫を持たないプレオーダーは三方良しの 合理的なシステム/ソニーとクレディセゾンを味方につける/「一席ずつ価格は違う」が本当の顧客ニーズ/タブーに挑戦しなければ、荒波は乗り越えられない
モトヤエクスプレス 伊藤素樹
基本はコーヒーの露天商
きっかけは阪神淡路大震災/自分でやれる範囲の商売、それが移動式販売だった/「一人の客としてモトヤが好き」がビジネスを発展させた/映画『バベル』のエンドロールで紹介された!/コーヒーの味向上にかけたお金はフェラーリ1台分
あとがきに代えて