女性の高等教育の 様々な形を求めて
このところ安定して人気が高いのは、資格・免許の取得が可能な大学・学部です。将来の職業に直結する大学・学部の中で、偏差値順に輪切りして、「入試の難しい大学」に進むことが幸せな未来につながる、と考えている受験生や保護者の方が多いようです。 しかし、本当にそうなのでしょうか?
もっともっと、高等教育とは多様なものではないでしょうか。
(中略)
その代表例として取り上げたのが、兵庫県西宮市にある、神戸女学院大学です。
文学部、人間科学部、音楽学部の3学部からなる、定員517名の小さな大学です。
就職や資格取得に有利な学部構成ではありません。それなのに、卒業生の顔ぶれを見ると、実に多彩なことに気づかされます。幅広い分野で活躍されている方が多いのです。
それも、非常に個性的な。
(中略)
なぜ、関西の小さな大学が、個性豊かな人々を次々と輩出することができるのでしょうか? 大学での数年間が、どんな影響をこの人たちに与え、「学び続けながら、幸せな社会を目指す」姿勢を生み出しているのでしょうか。
この本は、多くの方のご協力を得て、この女子大学の教育を追いかけたものです。
少子化社会、大学全入時代、そして、女性の社会進出の時代。さらに、教育のあり方そのものが問題となる時代になりました。本書を通して、教育の場、ことに大学という高等教育の場で必要なものは何かを考えていただければ幸いです。
(──本書「はじめに」より抜粋)














