春一番、セーラが町にやってきて、 創業250年の「造り酒屋」を再建、老舗の和菓子屋から、「小布施町ルネッサンス!」
小布施はJR長野駅から、ローカル線の長野電鉄に乗り換え、北へ30分ほど行ったのどかな町だ。人口1万2千人のこの町を訪れる観光客は、88年に37 万人だったが、2000年には120万人と、何と町人口の100倍に達している。町おこしで話題を集める町村は全国にいくつもあるが、この小布施の集客力 は異例と言っていい。その目玉になっているのが、創業250年の造り酒屋「桝一市村酒造場」の酒蔵を改造した和風レストラン「蔵部」であり、その発案者で あるセーラ・マリ・カミングスという名のアメリカ女性である。 本書は、廃業寸前の造り酒屋の再建を手がけ、「人減らしなしのリストラ」で、売り上げを それ以前の20倍に伸ばし、また、「小布施ッション」などを催し、「小布施町ルネッサス」を演出、町に会社に、八面六臂の活躍をする「女カルロス・ロス ゴーン」「台風娘」の大活劇を密着取材、その素顔を初めて伝える注目の書き下ろし。
「セーラが日本を発見した。日本がセーラを発掘した。日本もまだまだ捨てたものじゃない」と著者は言う。ハウステンボスならぬ町おこしの本、あるいは人物 論、またキャリアアップの本、経営者論──いろんな読み方が出来る本だが、いずれにせよ、無類のおもしろさ、いま日本人に一番必要な、元気の出る本である ことは間違いない。
なお、セーラ・マリ・カミングスは、「iモード」の松永真理、「ハリポタ」の松岡祐子に続き、「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2002大賞」を受賞している。
[著] 清野由美 きよの・ゆみ
ジャーナリスト。1960年、東京都生まれ。東京女子大学文理学部卒業後、草思社編集部に勤務。英国留学を経て「日経トレンディ」誌創刊に参加。91年まで同編集部に勤務の後フリーランスに転じる。国内外の都市開発、デザイン、トレンド、マーケティングなどを取材。また、時代の先端を行く各界の人物記事などにも力を注ぎ、「アエラ」「日経ウーマン」「ヴォーグ・ニッポン」などの雑誌や、「朝日新聞」「日経新聞」などを舞台に執筆活動を展開している。














